ANYCUBIC MEGA-S 3Dプリンターをカスタムした。ABS樹脂のプリントにおすすめ
ANYCUBIC MEGA-Sの弱点
ANYCUBIC MEGA-S
を使用していて、カスタムファームウェアで、メッシュレベリングである程度ABS樹脂のプリントが安定していたけど、たまにプラットフォームへの定着が悪くなる現象が出ていた。
ANYCUBIC MEGA-S 3Dプリンター 金属製 高精度 Titan押出機 TPU/ABS/PLA等 操作簡易 家庭用 3DPrinter 初心者/学校等向け 日本語マニュアル付き (黒色)
プリンターの動作を観ていると、手動でメッシュレベリングをしたあとに、Z軸のセンサーをたたいてZ軸の原点をリセットしてからプリント開始しているみたいで、プラットフォームの歪みは補正してもプリントヘッドとプラットフォームの距離はZセンサーの精度によってばらばらな気がする・・・
これをなんとか改善するために、我がバイブルでいつも参考にさせて戴いている
はるかぜポポポ氏
https://note.com/newspeak/n/nccf9f10466eb
と
Yan氏
https://note.com/y_labo/n/n0d0328103045
両氏のページを参考に、オートレベリングを実装してみることにした。
ついでに、印刷精度が向上しそうなので、ダイレクトエクストルーダー化もしてみることにした。
ABS樹脂でパーツのプリント
ダイレクトエクストルーダー化するパーツを3Dプリント出来るデータをはるかぜポポポ氏が作成し、ネットへアップしてくれています。
https://www.thingiverse.com/thing:3954252
そしてそのデータを改良してオートレベリング用のタッチセンサーを取り付けられるようにしたデータを、Yan氏がアップしてくれています。
https://www.thingiverse.com/thing:4035830
マジで神ですね・・・
お二人の有難いデータをダウンロードさせてもらって、Yan氏の
とはるかぜぽぽぽ氏の
をプリントしました。
ダイレクトエクストルーダー用のステッピングモータの奥行が、20mm用で設計されているらしく、今回自分が購入したステッピングモーターが23mmだったため5mmのスペーサーをプリントしました。
スペーサーをプリントしてX軸のセンサーとの距離を調整しないとステッピングモーターがX軸のセンサーにタッチする前にフレームへ激突するシビアな設計らしいです・・・
プリントしたパーツです・・・樹脂はABSでプリントしました。
メインのパーツはとてもシビアにプリントする必要があるので、会社で使用しているフィラメントと同じものを値段が高いけど注文して、プリントしました。
初めて高価なフィラメント使用してみましたが、値段だけのことはありますね・・・
組み立てる
今回購入したパーツは、
ステッピングモーター
タッチセンサーは、BL-TOUCHのコピー製品を購入しました。
3D-TOUCHセンサー
※結果的に、コピー製品でも十分な精度でした。
まずエクストルーダーとプリントヘッドをばらしていきます。
最悪元に戻せるように、コネクタの順番等の写真は残しておきましょう。
バラバラにしたパーツ類です。
ここからはYan氏のページを参考に組み立てていきます。
https://note.com/y_labo/n/n6d7b739ec41b
エクストルーダーステッピングモーターの配線は、はんだで直結して延長しました。
タッチセンサーの配線も基板へ直接はんだで接続して、テスターで導通確認しておきました。とりあえず手元にある材料でやろうとすると、こんな感じですね・・・
タッチセンサーの付属のケーブルを本体の基板へ差し込んで、一通り接続の確認をします。
※商品によって、信号とケーブル色が違うものがあるみたいなので、説明書を十分確認してください。電源を入れてタッチセンサーがカチカチカチと初期動作はするけど、Gコードを送っても動作しない場合は、写真の緑と黄を逆に差せば動作することがあります。
なんとか無事組付け完了。あとは、電源を入れて動作確認です。
ファームウェア書き込みと動作確認
組付け完了したら、電源を入れます。
そのままでは、タッチセンサーが機能しないので、ファームウェアをオートレベリング用の物に入れ替えます。
ここは、Yan氏の
https://note.com/y_labo/n/n0d0328103045
このページを参考に進めていきます。
少し補足しておきます。
※ファームウェアを書き換えたら、一度本体の操作パネルで動作確認をします。ここで、モータードライバを交換してないと、モーターが逆回転することがあります。その時は、
Configuration.hファイルの中のDRIVER_TYPEを「A4998」へ書き換えてコンパイルして書き込みなおすと回転方向が直ります。
MEGA-Sを使用してたり、MEGA-S化してる人は、
を忘れずに実行してください。問題なければG29でオートレベリングします。
スマホで撮影したんで、ブレブレですいません。m(__)m
まとめ
最終的にこんな感じになりました。3dプリンタ本体とフィラメントが乗っている板はスライドレールでそのまま引き出せるので、メンテナンス性はいいです。
スガツネ工業 完全スライド 3段引スライドレール 横付け 4518型 4518-300 左右1組
そして・・・オートレベリングの効果すごいです!!
時間はかかるけどプリント毎にオートレベリングを実行すれば、定着がとても安定します。
ここで紹介した、ABS樹脂のプリントにマスキングテープは完全に必要なくなりました。スティックのりだけで、すごい定着です!!
※現在はケープスーパーハードを使用しています。手入れが簡単でとても安定しています。
ステッピングモーターとタッチセンサー合わせても3000円位で出来るカスタムで、この効果はやる価値ありです。
ダイレクトエクストルーダーの効果はまだこれから設定を煮詰めていく必要がありますが、はるかぜポポポ、Yan両氏によるとかなり速度を上げてもフィラメントを安定的に出せるようなので、プリント時間の短縮につながると思います。
パーツさえプリント出来れば、あとは難しい作業はないので、見た目ほど難易度は高くないです。
ABS樹脂のプリントに苦労している方は、ぜひ試してもらいたいカスタムです。
一応いつも使用しているフィラメントを参考に紹介しておきます。
見えにくくてすいません・・・安物のスマホだと綺麗に映りませんね・・・
テストプリントでこんな感じです。値段の割には割と綺麗な仕上がりだと思って使っています。
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