3Dプリンターでカーナビのサンバイザーを自作した

3Dプリンターでカーナビのサンバイザーを自作した
日差しで見にくいカーナビのモニター

運転中に日差しが強いとカーナビの画面が真っ白で見えない事が多い今日この頃です。。。カーナビの画面を運転中に2秒以上見てはいけないそうなので、日差しを遮るサンバイザーを3Dプリンターで作ります。

カーナビの自作サンバイザーの形状の検討

今乗っている車は、一言でいうとトヨタハイエースワイドスーパーロングキャンパー仕様という車です。
横幅が結構広く車中泊の旅に出てるときは、助手席からカーナビのモニターは遠くて見えにくいため、自主席専用のモニターが取り付けてあります。後部座席も21インチの液晶テレビに映像を送っている為、カーナビのモニターは運転手専用になっています。
よって、今回作成するサンバイザーは運転手がモニターを快適かつ安全に見る為の形状にしようと思います。

カーナビサンバイザーの形状を検討

モデリングは、Autodesk社のFusion360というソフトを使用します。
とにかく運転席からはよく見えて、その他の方向から来る光を極力遮ってモニターへの日差しの映り込みを防止する形状にするために、モニターの左側は大胆にバイザーを大きくしてみましたw

3Dプリンターで出力する。マテリアルはABS

使用した3DプリンターはANYCUBIC社のMEGA-Sです。

ABSフィラメントは、余りものを使用しました。

参考商品です

ABSフィラメントで、この形状をプリントするのは個人的に結構難しい方ではないかと思います。プラットフォームへの定着面積が狭く、細く(薄く)高さのある形状は縮みやすいという経験が多いため、プラットフォームの温度を110℃、環境温度を普段は45℃に設定している温度を60℃へサーモスイッチを
変更してプリントしてみました。
あと、形状が薄い壁の為プリント速度も遅めに変更しています。

3Dプリンターでカーナビのサンバイザーを自作

、、、使用したABS樹脂36gをプリント時間約8時間もかけてなんとかプリント出来ましたが、完全にマスキングテープの粘着が樹脂の収縮に負けて剥がれていますね、、、
(ある意味マスキングテープ+スティックのりは定着抜群です・・・)

途中でプリントを止めようかと思ったけど、
今の自分の経験と知識ではおそらくこれが限界で、何回やり直してもABS樹脂のゴミと約8時間のプリント時間ををゴミ箱へ捨てるだけになってしまうので、サンドペーパーで形状を整えて使用してみることにします。

プリントしたABS樹脂をサンディング・取付

とりあえず、浮き上がっていたプラットフォーム面がカーナビへ貼り付ける面になるので、平面を出すために歪みをサンドペーパーで整えます。


サンドペーパーを、作業台へ両面テープで貼り付けてバイザーの歪んでいる面をサンドペーパーへ擦り付けて平面を出していきます。
面が整ったら、全体的にサンディングしてフィラメントの積層痕を削っていきます。


※ここからはいつも自分がやっている方法です。それがベターなのかベストなのかは分からないので、参考程度に読んでくださいw


ここで、削った粉は取り除かずに、積層痕の溝へ擦り付けるようにサンディングしていきます。
ある程度粉が積層根へ詰まったら、エアブラシでアセトンを吹き付けます。

 

アセトンでABS積層痕処理

すると、アセトンが積層痕へしみ込んで削られたABSの粉が一度溶けて、すぐに固まります。これによって積層間の接着が強くなり、なおかつ粉がパテ替わりになります。これを自分が納得(妥協)出来る仕上がりまで繰り返します。
今回は、10回位処理を繰り返しました。

エアブラシも安くなりましたね、、、


よくネットでみかける処理方法は、アセトンへABSを溶かし込んだ物をパテ替わりに使用したり、容器内でアセトンを気化させて表面を滑らかにする方法を見かけますが、時間がかかる割に思った仕上がりに成った事がありません。(自分、不器用なんで、、、)
容器内でアセトンを気化させて処理・・・思ったほど積層痕が消えない。。。
パテで処理・・・不器用なため、気が付いたら表面が波打ってる。。。

上記の理由から現在の方法になりました。
今回の処理時間は1時間もかかっていません。もちろん完全に積層痕が消えるわけでは無いけど失敗も無いので安心です。
※アセトンは気化すると引火性が高いので換気は十分行ってください。

ABS積層痕処理


あとは、適当に家にあったラッカースプレーで着色して気休めかもしれませんが、紫外線対策をしておきます。

乾いたら、貼り付ける面へ両面テープを貼り付けて、ナビのモニターへ貼り付けます。

サンバイザー取付前

画面が日差しで白くなっていますが、バイザーを取り付けると、

サンバイザー取付後

ほぼ、陰になっています。一番下に若干日差しが当たっていますが、この位なら実用的ではないでしょうか、、、

むしろめっちゃ見やすいやんw


これで運転に集中することが出来、安全運転ができます。

ABSフィラメントは1kg2500円で買いました。今回36g使ったので、
1000g÷2500円×36g=14.4円
フィラメント代は約15円ですw(消耗品・電気代は含まず、、、)

一応いつも使用しているフィラメントを参考に紹介しておきます。

見えにくくてすいません・・・安物のスマホだと綺麗に映りませんね・・・

テストプリントでこんな感じです。値段の割には割と綺麗な仕上がりだと思って使っています。


3Dプリンターって、結構トラブルあって大変だけど、たのしいです!!

今回使用した3Dプリンターです。